青かび病

青かび病は、果実や野菜の貯蔵中に発生しやすい真菌性の病害で、青緑色のカビが特徴的です。主に湿気や傷口が原因で発生し、適切な環境管理が重要です。

症状

青かび病は以下のような症状が現れます。

果実表面の変色

果実表面に青緑色の斑点が現れ、次第に広がります。

柔化と腐敗

感染部分が柔らかくなり、悪臭を伴うこともあります。

白い菌糸の出現

初期段階では白い菌糸が確認でき、後に青緑色に変化します。

判断ポイント

青かび病の判断は、果実や野菜の表面に現れる青緑色の斑点と腐敗部分の臭いで可能です。また、傷口を中心に病変が広がることが特徴です。

起きやすい原因

起きやすい環境

湿度の高い環境

貯蔵場所の湿度が高いと、カビの繁殖が促進されます。

傷のある果実や野菜

収穫時や貯蔵中にできた傷口から菌が侵入します。

通気性の悪い貯蔵環境

通気が不十分だと、湿度がこもりやすくなり、病害が発生します。

起きやすい季節

梅雨や夏

湿気が高い季節は青かび病が特に発生しやすいです。

冬季

貯蔵中の低温環境でも湿度が高ければ発生することがあります。

対処方法

環境を変える

湿度管理

湿度を50~60%に保つことでカビの繁殖を抑えられます。

通気性を確保

貯蔵場所に空気の循環を促す設備を導入します。

傷の防止

収穫時に果実や野菜に傷をつけないように注意します。

生存率

青かび病に感染した場合の生存率は、症状の進行度に応じて異なります。

症状
軽度(生存率 80%)

青かびが小範囲にとどまり、迅速に処置を行った場合。

症状
中度(生存率 50%)

青かびが広範囲に広がり、果実の一部が腐敗している場合。

症状
重度(生存率 20%)

果実全体にカビが広がり、悪臭が伴う場合。

薬剤名

青かび病に有効な薬剤を以下に示します。

ベンレート

広範囲の真菌に効果を発揮する殺菌剤。貯蔵前に使用可能です。

トップジンM

果実表面を保護し、カビの発生を防ぎます。

ダコニール

環境全体に散布して防除します。

感染しやすい品種

柑橘類

(オレンジ、レモンなど):果皮が柔らかく傷がつきやすいため。

リンゴ

表面の傷が感染源になりやすいです。

ジャガイモ

貯蔵中の湿度管理が不十分だと感染します。

ブドウ

薄い果皮がカビの侵入を許しやすいです。

青かび病についてのQ&A

青かび病はなぜ発生するの?

青かび病は、Penicillium属のカビによって引き起こされます。主に果実や野菜の傷口から侵入し、湿度が高い環境で繁殖します。このカビは傷口から栄養を吸収して成長するため、収穫時や貯蔵中の丁寧な取り扱いが重要です。

青かび病のカビは人体に有害?

一部のPenicillium菌は毒素(ミコトキシン)を生成します。これが付着した果実や野菜を摂取すると、消化器官に悪影響を及ぼす可能性があります。外側のカビを取り除くだけでは安全とはいえないため、感染部分が確認された場合は廃棄が推奨されます。

青かび病と青カビチーズのカビは同じ?

同じPenicillium属に分類されますが、青カビチーズに使用される菌は特定の無毒な種です。病害を引き起こす菌と異なり、安全に加工されています。ただし、貯蔵病害の原因となる菌は毒素を生成する可能性があり、食用には適しません。

青かび病が発生しやすい品種は?

柑橘類やリンゴなどの果皮が薄く、傷がつきやすい品種が特に感染しやすいです。例えば、レモンやオレンジは典型的な被害例として知られています。また、貯蔵が長期に及ぶ作物は、湿度管理が重要です。

青かび病を防ぐ意外なポイントは?

冷蔵庫内で果実や野菜を保存する際、傷つけないように柔らかい布や紙で包むことが効果的です。また、通気性を確保するため、ビニール袋ではなく穴の開いた袋を使用するのがおすすめです。これにより湿度がこもらず、病害発生のリスクが低減します。

豆知識: ペニシリンの発見と青かび病
青かび病の原因菌であるPenicillium属は、抗生物質「ペニシリン」を生み出した菌と同じ仲間です。ペニシリンの発見が人類に多大な恩恵をもたらした一方、農作物には脅威となるのは興味深い事実です。

まとめ

青かび病は湿度と傷口が主な原因となる真菌性の病害です。

特に梅雨や夏など湿度の高い季節に発生しやすいため、適切な環境管理と薬剤の使用が重要です。

柑橘類やリンゴなどの果実が特に感染しやすいため、収穫時の取り扱いや貯蔵環境の見直しを徹底しましょう。

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