青かび病は、果実や野菜の貯蔵中に発生しやすい真菌性の病害で、青緑色のカビが特徴的です。主に湿気や傷口が原因で発生し、適切な環境管理が重要です。
症状
青かび病は以下のような症状が現れます。
- 果実表面の変色
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果実表面に青緑色の斑点が現れ、次第に広がります。
- 柔化と腐敗
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感染部分が柔らかくなり、悪臭を伴うこともあります。
- 白い菌糸の出現
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初期段階では白い菌糸が確認でき、後に青緑色に変化します。
判断ポイント
青かび病の判断は、果実や野菜の表面に現れる青緑色の斑点と腐敗部分の臭いで可能です。また、傷口を中心に病変が広がることが特徴です。
起きやすい原因
起きやすい環境
- 湿度の高い環境
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貯蔵場所の湿度が高いと、カビの繁殖が促進されます。
- 傷のある果実や野菜
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収穫時や貯蔵中にできた傷口から菌が侵入します。
- 通気性の悪い貯蔵環境
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通気が不十分だと、湿度がこもりやすくなり、病害が発生します。
起きやすい季節
- 梅雨や夏
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湿気が高い季節は青かび病が特に発生しやすいです。
- 冬季
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貯蔵中の低温環境でも湿度が高ければ発生することがあります。
対処方法
環境を変える
- 湿度管理
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湿度を50~60%に保つことでカビの繁殖を抑えられます。
- 通気性を確保
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貯蔵場所に空気の循環を促す設備を導入します。
- 傷の防止
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収穫時に果実や野菜に傷をつけないように注意します。
生存率
青かび病に感染した場合の生存率は、症状の進行度に応じて異なります。
青かびが小範囲にとどまり、迅速に処置を行った場合。
青かびが広範囲に広がり、果実の一部が腐敗している場合。
果実全体にカビが広がり、悪臭が伴う場合。
薬剤名
青かび病に有効な薬剤を以下に示します。
感染しやすい品種
- 柑橘類
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(オレンジ、レモンなど):果皮が柔らかく傷がつきやすいため。
- リンゴ
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表面の傷が感染源になりやすいです。
- ジャガイモ
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貯蔵中の湿度管理が不十分だと感染します。
- ブドウ
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薄い果皮がカビの侵入を許しやすいです。
青かび病についてのQ&A
豆知識: ペニシリンの発見と青かび病
青かび病の原因菌であるPenicillium属は、抗生物質「ペニシリン」を生み出した菌と同じ仲間です。ペニシリンの発見が人類に多大な恩恵をもたらした一方、農作物には脅威となるのは興味深い事実です。
まとめ
青かび病は湿度と傷口が主な原因となる真菌性の病害です。
特に梅雨や夏など湿度の高い季節に発生しやすいため、適切な環境管理と薬剤の使用が重要です。
柑橘類やリンゴなどの果実が特に感染しやすいため、収穫時の取り扱いや貯蔵環境の見直しを徹底しましょう。