斑点病（株枯症）

斑点病（株枯症）は植物の葉や茎に斑点が現れ、進行すると植物全体が枯死する真菌性の病気です。

湿気が高い環境や通気不足が原因で発生しやすく、特に梅雨時期に多発します。早期の発見と適切な対処で被害を最小限に抑えることが可能です。

症状

斑点病（株枯症）は主に以下のような症状を引き起こします：

葉の斑点

初期段階では小さな黒や茶色の斑点が葉に現れます。この斑点は徐々に広がり、葉全体が枯れ込む原因になります。

茎や枝の黒変

茎や枝に黒い斑点が現れ、次第に軟化しやすくなります。ひどい場合、茎や枝が腐敗して崩れることがあります。

株全体の枯死

進行すると、根や茎の柔化が進み、植物全体が急速に枯れてしまいます。

判断ポイント

1. 葉の表面に大小さまざまな斑点が現れるかどうか確認します。
2. 茎や枝を指で押して柔らかくなっていないかチェックします。
3. 葉が黄変やしおれを伴っている場合、進行が早い可能性があります。

症状の進行速度

• 初期症状は葉に小さな斑点が現れ、次第に拡大。
• 高温多湿の環境では病斑が急速に広がり、短期間で葉が枯れることもある。
• 株全体が枯れるケースでは進行が速い。

起きやすい原因

斑点病（株枯症）は、主に以下の環境や条件で発生します。

起きやすい環境

過湿

排水性の悪い土壌や水分過多の環境は、病原菌の繁殖を助長します。

通気不足

風通しの悪い環境では、湿気が溜まりやすく、病気の発生率が高まります。

栄養不足

特にカリウム不足は、植物の抵抗力を弱め、病原菌の侵入を許してしまいます。

起きやすい季節

梅雨

湿気が高まり、病原菌が活発になる季節です。

夏

高温多湿な環境は、斑点病を引き起こす真菌の繁殖に適しています。

冬季

低温で植物の代謝が落ちると、病気に対する抵抗力が低下します。

対処方法

斑点病の被害を最小限に抑えるためには、早期発見と環境の改善が重要です。

環境を変える

排水性の向上

水はけの良い土を使用し、根が水浸しにならないように注意します。

通気性を確保

鉢植えや庭植えの場合、株間を広げて風通しを良くします。

剪定

感染した葉や茎を早めに取り除き、病気の拡散を防ぎます。

生存率

薬剤名

ベンレート

広範囲の真菌に効果的な殺菌剤。特に斑点病の予防と初期治療に有効です。

エムダイファー水和剤（マンネブ水和剤）

葉に直接散布することで、病気の進行を遅らせる効果があります。

感染しやすい品種

斑点病に感染しやすい植物を以下に示します：

バラ科

バラ、リンゴ、ナシ

ナス科

ナス、トマト、ピーマン

アブラナ科

キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー

これらの植物は特に湿気に弱く、早めの予防が重要です。

Q&A: 斑点病（株枯症）

豆知識：斑点病の進化的な「防御」
実は斑点病を引き起こす真菌の一部は、植物の自然防御システムを回避するための「酵素」を分泌します。この酵素が植物の細胞壁を分解し、真菌が侵入しやすくなるのです。このため、植物の抵抗力を高める環境作りが非常に重要です。

まとめ

斑点病（株枯症）は湿気の多い環境や通気不足によって発生する真菌性の病気です。

葉や茎に斑点が現れたら早期に対処し、感染が広がる前に環境を改善することが重要です。

適切な殺菌剤の使用と剪定によって被害を最小限に抑えることが可能です。また、定期的な観察と予防策を講じることで、健康な植物を維持しましょう。