葉かび病は、主にトマトなどナス科植物に発生する真菌性の病気です。葉の裏にカビ状の斑点が現れ、進行すると光合成能力が低下し、収穫量に悪影響を及ぼします。高湿度環境で特に発生しやすい病害です。
症状
葉かび病(Tomato Leaf Mold)は、主に葉の裏側に症状が現れるのが特徴です。具体的な症状は以下の通りです:
- 黄色い斑点の出現
-
最初は葉の表面に小さな黄色の斑点が現れます。
- 葉の裏にカビ状の斑点
-
病気が進行すると、葉の裏側に灰色や茶色のカビ状の斑点が発生します。これは、病原菌 (Fulvia fulva) の胞子です。
- 葉の枯死
-
感染がひどくなると、葉全体が枯れて落葉することがあります。これにより、植物の光合成能力が低下し、果実の成長が妨げられます。
- 果実への影響
-
基本的に葉かび病は葉に限定されますが、極端に進行した場合、果実の品質が低下することもあります。
葉かび病の初期段階では葉の表面には変化が少ないため、葉の裏を確認することが早期発見の鍵です。
起きやすい原因
起きやすい環境
葉かび病は以下のような環境で発生しやすいです:
- 高湿度
-
湿度が85%以上の環境では病原菌が活発に繁殖します。特に梅雨時期や、温室内での栽培中に発生しやすいです。
- 通気不足
-
栽培密度が高すぎる場合や、温室の換気が不十分な場合、葉が湿った状態が続きやすく、病気の原因となります。
- 水分の停滞
-
葉に水滴が長時間残ると、胞子が発芽して感染が広がります。
湿気対策だけでなく、植物の葉を濡らさないように水やり方法を工夫することも効果的です。
起きやすい季節
- 梅雨から夏にかけて
-
高温多湿の環境が病原菌の繁殖を助長します。
- 秋口
-
朝晩の気温差で発生する結露が原因で発病することがあります。
対処方法
環境を変える
- 換気を徹底する
-
温室内での栽培時は適切に換気を行い、湿気をこもらせないようにします。
- 適度な間隔で植える
-
栽培密度を下げ、葉同士が重なり合わないようにすることで、湿気を軽減します。
- 水やりの工夫
-
葉に直接水をかけるのではなく、土壌にのみ水を与える方法を採用します。
生存率
葉かび病に感染しても、早期対処を行えば生存率は高いです。
葉の裏にわずかなカビが見られる段階。
複数の葉にカビが広がり、一部落葉が見られる段階。
葉がほぼ全滅し、果実への影響が出始めた段階。
薬剤名
葉かび病の治療には以下の殺菌剤が効果的です:
薬剤の使用は交互に行うことで、病原菌の耐性化を防げます。
感染しやすい品種
葉かび病に感染しやすい品種の例:
- トマト
-
特に温室栽培されている品種。
- ミニトマト
-
密集して栽培されることが多いため発病しやすい。
- その他ナス科植物
-
一部のピーマンやナスも感染する可能性があります。
葉かび病についてのQ&A
まとめ
葉かび病は、湿度の高い環境や通気不足が原因で発生する真菌性の病害です。
主にトマトに多く見られますが、早期発見と対策を行うことで被害を抑えることが可能です。
環境管理や予防的な薬剤散布を行い、大切な作物を守りましょう。