白紋羽病

白紋羽病は、主に真菌(Rosellinia necatrix)によって引き起こされる植物の病気で、地際部分の白い菌糸の「紋様」が特徴的です。感染すると根が腐敗し、最終的には全体が枯死することも。果樹や庭木、草花に被害が及ぶため、早期発見と適切な対処が重要です。

症状

どういう症状が出るか?

葉の変色・しおれ

最初は葉が黄変して元気がなくなります。進行すると、葉がしおれて乾燥したように枯れていきます。

地際部分の白い菌糸

茎の地表近くに白い糸状の菌糸が広がります。これが病気の最大の特徴です。

根の腐敗

感染部分の根は柔らかくなり、黒ずんで腐敗します。感染が広がると、根全体が機能しなくなります。

どこで判断するか?

  • 地表付近の茎を確認し、白い菌糸や乾燥した斑点が見られるかチェック。
  • 根の状態を掘り起こし、腐敗や黒ずみが進行している場合は白紋羽病の可能性が高いです。

起きやすい原因

起きやすい環境

水はけの悪い土壌

過湿状態が長期間続くと、真菌が繁殖しやすくなります。

排水不良

特に果樹の栽培では、根元に水が溜まりやすい状況が原因となることがあります。

未分解の有機物

堆肥やマルチング材が未分解のまま使用されると、病原菌の温床となることがあります。

起きやすい季節

梅雨から夏

湿度と温度が高い時期は、菌糸の繁殖が活発になります。

気温が下がり始めても、湿気が残る環境では病気が広がる可能性があります。

対処方法

環境を変える

土壌改良

水はけを改善するために、腐葉土や砂を混ぜ込んで排水性を向上させる。

通気性を確保

茂りすぎた葉を剪定し、風通しの良い環境を作る。

感染部分の除去

病変部を早期に切り取り、土壌ごと処分する。

生存率

症状
軽度(生存率 70-80%)

初期段階で菌糸が茎の地際部分にとどまっている場合、対処次第で回復可能。

症状
中度(生存率 40-50%)

根の一部に腐敗が見られる場合、植物の生命力に応じて回復することもあるが、慎重な管理が必要。

症状
重度(生存率 20-30%)

根全体が腐敗し、地上部の枯死が進んでいる場合、生存は難しい。

薬剤名

ベンレート

真菌に対する効果が高い殺菌剤。感染部位の処理後に散布することで、再発を防ぎます。

トップジンM

根の防除に特化した薬剤で、真菌性の病気に広く対応可能。

感染しやすい品種

果樹

リンゴ、モモ、カキなどの落葉果樹。

庭木

ツバキ、サザンカなどの常緑樹。

草花

ペチュニアやベゴニアなど、湿気に弱い品種。

白紋羽病についてのQ&A

白紋羽病とはどんな病気ですか?

白紋羽病は、真菌 (Rosellinia necatrix) によって引き起こされる植物病害で、地際部分に白い菌糸が発生し、根が腐敗するのが特徴です。この病気が進行すると植物全体が枯死することもあります。特に果樹や庭木に被害を与えます。

白紋羽病の名前の由来は?

この病名は、菌糸が地表付近に放射状に広がり、白い紋様のように見えることから「白紋羽病」と名付けられました。これが発見時の重要な診断ポイントでもあります。

感染しやすい植物は?

リンゴやモモ、カキといった果樹、ツバキやサザンカなどの庭木が特に感染しやすいです。また、湿気に弱い草花も被害に遭いやすいです。

どのようにして感染が広がりますか?

白紋羽病は土壌伝染病です。感染した土壌や植物の根が接触することで広がります。また、未分解の堆肥や汚染された農具を通じても伝染します。

どのように予防すればよいですか?

水はけの改善

土壌に腐葉土や砂を混ぜて排水性を高めましょう。

風通しの確保

枝葉を剪定して通気性を良くします。

健全な土壌管理

完全に分解された堆肥を使用し、汚染を防ぎます。

対処が遅れるとどうなりますか?

感染が進むと根全体が腐敗し、植物の吸水・栄養吸収能力が失われ、最終的に枯死します。早期発見が植物の命を救う鍵です。

真菌はどのような条件で繁殖しやすいですか?

湿度が高く、温暖な環境で繁殖が活発化します。特に梅雨や夏場、排水性の悪い土壌では注意が必要です。

病気の治療に有効な薬剤は?

代表的なものに「ベンレート」や「トップジンM」があります。これらは感染箇所に直接散布することで真菌を抑制します。

知っておくと役立つ豆知識はありますか?

白紋羽病は一度発生すると土壌中で長期間生き残る性質があります。そのため、発病した土壌を放置することは次の作物への感染リスクを高めます。感染箇所は取り除いた後に、適切な土壌改良を行うことが大切です。

まとめ

白紋羽病は、早期発見と環境改善が鍵となります。特に水はけの悪い土壌や湿気が高い環境では、感染リスクが高まるため、適切な管理が重要です。

感染してしまった場合でも、初期段階で薬剤処理や環境改善を行えば、植物の生存率を大幅に向上させることができます。

土壌改善と病気に強い品種選びで、発生リスクを最小限に抑えましょう。

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