オリエンタリス系 ＜ クレマチス 系統別– Clematis Orientalis –

オリエンタリス系クレマチスは、夏から秋の6月から10月にかけて、主に黄色の小輪の花を咲かせる品種です。通常一重咲きで、下向きにベル形の花を咲かせます。新枝咲きで冬に強剪定します。

オリエンタリス系の情報や育て方を纏めています。

オリエンタリス系の解説

Clematis orientalisは、キンポウゲ科（Ranunculaceae）に属する落葉性のつる植物または這いつる性の低木で、アジアと中央ヨーロッパが原産地です。

主に中央ヨーロッパとアジアに自生しており、Clematis orientalis、Clematis serratifolia、Clematis tangutica、Clematis tibetanaなどのクレマチスの品種が含まれます。

オリエンタリス系は、生息地で厳しい条件に適応していた為、アメリカ合衆国に観賞用植物として導入された際に栽培から逃れて野生化し、一部の州で侵略的な植物リストや有害植物リストに登録されています。

育て方

日当たり

日当たりの良い環境を好みますが、部分的に日陰のある場所にも耐えることができます。

土壌

Clematis orientalisは、水はけの良い土壌を好みます。土壌の質感に特別な嗜好はありませんが、チョーク質の土壌に適しています。

耐寒性

一般的に耐寒性が強く、ほとんどの品種はUSDAゾーン4-11で繁栄します。

有毒性

植物のすべての部分は摂取すると有毒であり、皮膚刺激を引き起こすことがあります。犬、馬に対しても有毒です。

主な生息地と起源

Clematis orientalisは、原産地が広範で、東南アジア、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、温帯、熱帯アジアに分布しており、トルコから西アジアを経て朝鮮半島、イラン南部、北西インドに広がりました。ペルシャからヒマラヤ、またはイランからヒマラヤにかけても見られます。

アメリカ合衆国には観賞用に導入されましたが、ネバダ州、アイダホ州、ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州、オレゴン州、およびカナダのオンタリオ州など、いくつかの州で野生化しています。生息地には灌木地、川岸、谷、砂地のくぼみ、河川の森林、乾燥した渓谷、砂漠、亜砂漠地域などが含まれます。さらに、この植物は標高400から3,800メートルまでの地域で成長します。

生態系への影響

Clematis orientalisはつる植物で、岩やフェンス、他の植物を覆い、栽培から逃れて野生化し、一部の州では有害雑草と見なされています。

若木や低木を覆ってしまい、それらを枯死させる可能性があり、原産の灌木や草本植物をも圧倒する力を持っています。

C.オリエンタリスは一般的に湿地域、灌木地、熱く乾燥した渓谷、砂漠、亜砂漠地帯に侵入し、1970年代半ば以来急速に広がり、侵略的な存在となりつつあります。

特徴

習性とサイズ

Clematis orientalisは、つるを使って他の植物や環境に絡みつく落葉性のつる植物です。

非常に強力な成長力を持ち、成長速度は最低でも年に1メートル以上あり、茎は細く、灰褐色の樹皮で覆われています。

最大で高さは約2〜8メートルに達し、茎の太さは最大7センチになります。

葉の茎を絡めるための構造物やサポートが必要となります。

葉

Clematis orientalisの葉は、3から7枚の小葉から成る羽状複葉で、形状は歯のあるものから全縁で卵形から線状披針形までさまざまです。これらの葉は1〜5センチの長さで、灰緑色をしており、茎に対向して生長します。一般的に、葉は中程度の緑色で、美しい鮮やかな花に対して背景を提供します。

花

Clematis orientalisの花は単独または房状の集まりで咲き、最も特徴的な部分は4枚の約3センチの大きさの黄色から黄緑色のがく片です。

これらのがく片は卵状披針形で広がり、成熟すると後方に巻き返します。幅は2〜3センチ、長さは6〜9センチに達します。

花は雌雄同株で、花柱は3〜10センチの長さで、果実である痩果に取り付いて翼の役割を果たします。

花は非常に強い香りがあり、花と果実が同時に存在します。

これらの明るい黄色の花は小さく、ランタン形または星形で、しばしば垂れ下がります。各花は銀色の絹のようなしっぽを持つ見栄えの良いポンポンのような種子頭を産み、冬から早春にかけて残り、散布します。

根

C. orientalisの根は弱く、しなやかで、茶色からオレンジ色の微細な枝分かれした根を持ちます。

開花時期

C. orientalisの花は8月から9月下旬に咲き、夏から秋にかけて活発に咲くため、秋になると特に庭園で目を引きます。

咲く枝

今年伸びた新枝に花を咲かせる、新枝咲きです。

剪定と剪定時期

新枝咲きなので、強剪定します。

剪定を行う際には、鋭い剪定用具を使用し、植物にダメージを与えないように注意深く作業しましょう。また、クレマチスの種類によっても剪定のタイミングや方法が異なる場合があるため、具体的な品種に合った剪定方法を確認することが大切です。

花後の剪定

春に咲く花を持つオリエンタリス系クレマチスは、花後に剪定します。具体的には、花が終了してから数週間以内に剪定を行います。

古い花や枯れた茎を切り取ります。これにより、新しい芽が発生し、次の年に花を咲かせる準備が整います。

花が終了したら、植物全体から古い茎や乾燥した部分を刈り取ります。

春の剪定

春には新しい成長が始まる時期です。新芽が出始めたら、必要に応じて形を整えるために剪定を行います。

不要な茎や蔓を取り除き、クレマチスの成長を誘導します。また、形を整えて植物を美しく保ちます。

冬の剪定

寒冷地域では、冬になる前にオリエンタリス系クレマチスを剪定することがあります。通常は12月から2月にかけて行います。

冬の剪定では、特に寒さに弱い部分を保護するために枝を切り詰めることがあります。ただし、過度な剪定は避け、凍結に備える程度に行います