剪定グループ1に属するクレマチスは、前のシーズンに成長した枝に花をつける早咲きの品種です。
これらのクレマチスは冬から春にかけて美しく花を咲かせ、その後の春中旬から晩春にかけて剪定を行います。
正しい剪定を施すことで、健全な成長と翌シーズンの豊かな開花を促すことができます。
育て方ポイント
- 開花時期
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剪定グループ1に属するクレマチスは、春先に前年の枝に花を咲かせます。剪定の際、前年の枝を残すことが重要で、強い剪定をすると花が咲かなくなることがあります。
- 剪定時期
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剪定は花後(5月〜6月頃)が適しています。古い枝や枯れた部分のみ軽く剪定し、全体を切り戻す必要はありません。
- 難易度
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剪定グループ1は、花を咲かせるために適切な剪定のタイミングと技術が求められるため、少し難易度が高いです。剪定を誤ると翌年の花が咲かない場合があるため、慎重な管理が必要です。
剪定グループ1の基本
剪定グループ1のクレマチスは、花後に剪定を行います。具体的には、春の中頃から晩春にかけて剪定するのが適切です。これは、花が咲いた後の枝を整えるための作業です。
定期的な剪定
通常、グループ1のクレマチスには定期的な剪定は必要ありません。
ただし、必要に応じて霜の危険が過ぎた春中旬から晩春にかけて、または開花直後に剪定を行います。
定期的な剪定を行うことにより、植物の成長と開花をうながし、生長を抑制することができます。
若いクレマチスの剪定
新しく植えたクレマチスや、まだ根元から複数の健康な枝が育っていない場合は、最初の春にしっかりと剪定する必要があります。
若いクレマチスを剪定しないと、非常に長い一本の枝が育ち、枝の先端付近にしか花が咲かなくなります。
それを避ける為に、土の表面から約30cm上にある健康な葉芽の直上で切り戻し、複数の新しい枝が成長するように促します。
新しい枝を支柱に誘導することで、広範囲にわたって美しいクレマチスを楽しむことができます。
改修による剪定
通常は定期的な剪定は必要ありませんが、翌年に枝打ちや間引きが必要な場合は、花後に根元から15cm程度まで剪定を行います。
これにより、植物の形を整え、健全な成長を促進します。
ただし、このような改修剪定は3年以上経過した後に行うように注意してください。
成熟したクレマチスの剪定
成熟したクレマチスの特徴
成熟したクレマチスとは、植え付けから数年が経ち、しっかりと根付いたクレマチスのことを指します。
一般的には2年から3年経つと、地下部の根系が安定し、地上部も健康な葉や花を展開するようになります。
この段階に達したクレマチスは、適切な剪定とメンテナンスが必要です。
剪定のタイミングと方法
長すぎる枝や、冬の間に損傷を受けたシュートを健康な芽の位置まで剪定します。
健康なつぼみの2つが対になっている部分まで切り戻すことから始めます。
例えば、生育旺盛なモンタナ系(C. montana)のクレマチスは開花後に簡単に剪定することで成長を抑え、整然とした姿を保つことができます。
密集した枝葉の管理
枝葉が密集しすぎている場合、密度を減らすための剪定が必要です。
リノベーション(全体的な改修)を行う場合、花後すぐにほぼ根元まで全ての枝を切り戻し、肥料を施し、土を覆い、乾燥時には水を与えます。
これによりクレマチスは再び健康に成長し、再度厳しく剪定する前に少なくとも3年間は放置します。
リノベーション剪定の効果
改修剪定後に3年間放置する理由は、クレマチスが健康を取り戻し、新しい成長を促すための十分な期間を与えることにあります。
改修剪定は植物にとって大きな負担であり、クレマチスが完全に回復し新しい成長を遂げるには時間が必要です。
この3年間で、クレマチスは新しい茎を育てて強化され、健康な状態に戻ります。この期間は次の厳しい剪定する為に必要です。
このような改修剪定は、クレマチスの成長が再び乱れた際に行うと効果的です。
アーマンディ系の剪定について
C. armandii(アーマンディ系クレマチス)は、通常、改修や成熟した植物の剪定にはあまり向いていません。
アーマンディ系のクレマチスには、枝の大胆な剪定を避け、必要なスペースに制限することが推奨されます。また、春に風焼けで損傷した葉を取り除くのが一般的です。
この品種は比較的デリケートで、過度な剪定が株の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重な扱いが求められます。主に枝の制限や健全な成長をサポートするための剪定を行うことが重要です。
注意事項
剪定のタイミングと方法
剪定は早朝か夕方、涼しい時間帯に行うのが理想的です。
また、剪定に使うハサミやナイフは清潔で鋭いものを使用し、切り口が滑らかになるようにしましょう。
これにより、病気の予防や植物の回復を促進することができます。
剪定後のケア
剪定後は、クレマチスに十分な水を与え、土壌が乾燥しないように注意します。
また、剪定後に発生する新芽や新しい枝を適切に支柱に誘導し、風通しを良くすることで、病気や害虫の発生を防ぎます。
剪定グループ1に属する系統一覧
剪定グループ1に属するクレマチスの主な系統は以下の通りです。
- アルピナ系(Clematis alpina)
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アルプス山脈原産で、春にベル型の花を咲かせます。寒冷地に強いのが特徴です。
- マクロペタラ系(Clematis macropetala)
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北欧やアジア原産で、八重咲きの品種が多く、春に花を咲かせます。
- アーマンディ系(Clematis armandii)
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中国原産の常緑品種で、早春に白や淡いピンクの芳香のある花を咲かせます。
- シルホサ系(Clematis cirrhosa)
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地中海沿岸原産で、冬から早春にかけて咲くことが多いです。つる性の常緑品種です。
- モンタナ系(Clematis montana)
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ヒマラヤ原産で、非常に生長が早く、大きな花を春に大量に咲かせます。
- クリソコマ系(Clematis chrysocoma)
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ヒマラヤ原産で、春に花を咲かせることが多いです。
- ウロフィラ系(Clematis urophylla)
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中国原産で、冬から早春にかけて咲く常緑品種です。
- アトラゲネ系
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ヨーロッパやアジア原産の耐寒性に優れた品種で、春にベル型の小ぶりな花を咲かせます。
- オセアニア系
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ニュージーランド原産の常緑品種で、冬から春にかけて白や黄の個性的な花を咲かせます。
- フォステリー系
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ニュージーランドやオーストラリア原産で、早春に星形の花を咲かせ、耐寒性が弱く暖地向きです。
これらの系統は、剪定グループ1に属し、早春に花を咲かせる特性があります。
剪定グループ1に属する品種例
剪定グループ1に属する比較的知られているクレマチスの品種には、以下のようなものがあります。
これらの品種は、冬から春にかけて前シーズンに伸びた枝に花を咲かせる早咲きの品種で、花後に剪定を行う必要があります。
難易度
やや上級者向け。
剪定グループ1はやや高い難易度で、適切な剪定と管理が要求されます。基本的に花後に軽い剪定を行うだけですが、タイミングや枝の選別を誤ると花が咲かなくなるリスクがあるため、初心者には少し難しく感じるかもしれません。
向いている人
「じっくり植物を観察し、慎重に手入れをするのが好き」「剪定のタイミングや方法をしっかりと守れる」タイプの方におすすめです。特に手入れを楽しみつつ、毎年美しい花を楽しみたい方に向いています。