2024年の春、クレマチスの品種で花を咲かせなかったものが2種ありました。
この記事では、その原因と対策について詳しくお話しします。
花を咲かせなかった品種
2024年春に花を咲かせなかった品種は2品種あります。
アメージンググレイス
一昨年、立ち枯れ病になって瀕死の状態になったアメージンググレイス。
去年も花を咲かせず、枝が細いため、株の充実を図りましたが、今年も花を咲かせませんでした。
芽吹きはしましたが、枝だけが伸びて、成長点のツルが枯れてしまいました。
それ以降、脇芽も伸びず、成長が止まってしまいました。
ハーグレイハイブレット
ハーグレイハイブレットは、芽吹いて順調にツルを伸ばしていましたが、途中で成長点のツルが枯れてしまい、それ以降脇芽も出ずにそのままの状態でした。
ツル先が枯れる原因
開花しなかった2品種は、ツル先が枯れて、脇芽も出ずに成長が止まってしまいました。
クレマチスのツルが枯れ、成長が止まってしまう原因を考えてみました。
水不足
クレマチスは水を好みます。
水不足になると葉が萎れて分かりやすいです。
地植えしている場合は、よっぽどの事がない限り、葉が萎れるまで水分不足にはなりにくいです。
鉢植えで育てている方は、水切れに注意してください。
我が家はタカギの自動水やりシステムを導入しているため、水不足でクレマチスの成長が止まる可能性は低いと考えられます。
栄養不足
クレマチスには寒肥にアミノ有機肥料と堆肥を混ぜ込んでおり、更に液肥の万田アミノアルファを与えています。
開花期は週一の頻度でリキダス、ハイポネックスを与えています。
また、固形肥料や開花後のお礼肥も与えているので、栄養不足の可能性も低いでしょう。
病害虫
立ち枯れ病などの病気や害虫の被害が原因となることがあります。
立ち枯れ病対策に、クレマチスが芽吹く3月頃から株周りを整理して、周囲に雑草やグランドカバーを駆除しています。
芽吹いた後も、株周りに気を配り植物が入り込まないように注意しています。
特に蒸れやすい梅雨時期は株周りをチェックし、立ち枯れ病になっていないか要注意です。
また、クレマチスの病気で次になりやすいのは、さび病やうどん粉病です。
さび病は葉っぱに所々、黄色い点々があるのが特徴で、うどんこ病は葉っぱにまだらに白くなるのが特徴です。
さび病の場合は見つけ次第、黄色い部分を取り除いて、ベニカXファインスプレーを散布します。
それほど致命傷にはなりませんが、広がると厄介なので注意しています。
病気の早期発見と適切な防除が必要です。
今回は、病害虫による被害は見られませんでした。
根の問題
根が腐っていたり、十分に発育していなかったりすると、上部の成長が阻害されます。
根の健全性を確認することが重要です。
苗が弱い?
病害虫と根の問題の両方の可能性があります。
我が家のクレマチスは地植えしています。
1苗がネコブセンチュウに感染すれば、すべてのクレマチスに感染が広がると思って良い状態です。
しかし、他の強靭な品種のクレマチスは元気に咲いているので、病害虫に強い品種と弱い品種の差なのかもしれません。
現にアメージンググレイスは立ち枯れ病に何度か遭っており、病気に弱い印象です。
アメージンググレイスと近くに飢えているロウグチは元気に咲いています。
日当たりにも気を使い、株周りは常に気を配って整備していたので、 アメージンググレイスは元々弱い方なのかもしれません。
ハーグレイハイブレットは、毎年花数がとても少なく、1〜2つ咲けば良い方でした。根が充実していない可能性もあります。
そもそも、立ち枯れ病に感染して新芽がダメになっても、株に勢いがあれば、新たに地下から芽吹いてくれます。
そう思うと、ツルの先端がダメになっても脇芽が出てこないということは、何らかの問題が残っていて、それも見えない場所。
つまり、根っこに問題があるのではないかと見ています。
ネコブセンチュウ?
可能性がありそうなのはネコブセンタュウです。
ネコブセンチュウに感染している場合、クレマチスの根っこに無数のジャガイモみたいな小さい物が付いてないかを確認します。
ただ、クレマチスは基本根をいじられるのを嫌います。
もし確認する際に根が切れた場合、弱らせてしまう可能性があるので注意してください。
来年花を咲かせるための対策
来年の開花を目指して、下記の対策を講じることにしました。
今の株の根の充実を図る
現在地植えしているクレマチスについては、また冬のお手入れを充実させるべく、肥料や土の状態をよくしていこうと思っています。
土増しと盛り土をして株の充実を図る
雑草を抜いていると、段々と土が減っていきます。
西側のエリアはかなり土が減ってしまっているので、秋頃にハニーミントさんのガーデニングの土を購入して、撒こうと思っています。
クレマチスの株元周りは盛り土をしてみようかと思っています。
株元を見て、1番下の節目の上まで盛り土をして、来年の春の芽吹きを盛り土をした部分の節目から発芽させる方法です。
クレマチスの春の芽吹きは節目から出てくるので、株が充実して、毎年土の中の節目が増えると、そこから芽吹いてくるので、毎年枝数が多くなってきます。
堆肥と有機肥料を混ぜ込む
今年は去年より更に堆肥を多く混ぜ込もうと思っています。
土増しをする前に堆肥と万田アミノアルファを撒いて土を柔らかくした後、アミノ有機肥料を撒いて、その上に土増しをしようと思っています。
挿し木による増殖
今年伸びた枝を挿し木にして、発根して移植の段階まで持っていくことを考えています。
要は花が増やせないなら、数を増やせです。
挿し木はクレマチスの繁殖に有効な方法です。
開花が終わり、切り戻した枝をそのまま挿し木に使えるので、今の時期が挿し木をするチャンスです。
挿し木に使う土は、保湿性に優れている花ごころの「挿し芽種まきの土」を使いました。
他の乾燥しやすい土を使う場合は、底面給水をした方が良いでしょう。
クレマチスの挿し木で注意したい事は、土が乾燥してしまうことです。
保湿性が優れている土を使うか、底面給水をするのが確実です。
挿し木後は、発根するまで明るい日陰で管理します。直射日光厳禁です。
挿し木で注意したい事
PVP品種(登録品種)の挿し木は、家庭の趣味の範囲でなら問題ありません。
増やした挿し木を譲渡したり販売する行為は違法となるので絶対にしないでください。
参考文献
種子や種苗の「自家増殖」はどこからが違法?【連載・農家が知っておきたい「知的財産」のハナシ vol.12】
農林水産省「改正種苗法に関するQ&A(未定稿)令和3年4月版(PDF : 1,062KB)」※質問30
登録品種は農林水産省の「登録品種迅速化総合電子化システム」から検索できます。
クレマチスのみ表示したい場合は「農林水産植物の種類」の「学名選択」ボタンから「Clematis L.」を選択して検索ボタンをクリックしてください。
登録申請していても、取下、拒絶日、育成者権の消滅日が過ぎている品種は、登録品種に該当しません。
登録番号、登録年月日、登録公表日が記載されていない場合は、審査中となります。
移植の場所選び
移植する際、同じ場所に植えるか別の場所に植えるか悩むところです。
同じ場所に植える場合
同じ場所に植えると、土壌の環境が既に適応しているため、成長しやすいかもしれません。
ただし、病原菌や害虫が土壌に残っている可能性もあります。
その場合、土を殺菌する「石原フロンサイド粉剤」があるのでそれを土深くに混ぜ込もうと思っています。
というのも、殺菌剤を撒くのは、影響が大きいと思っていて、本当なら最終手段にする予定でした。
土の中の良い菌も殺してしまうし、他の益虫益獣にも影響がないか心配だからです。
ちなみに、ネコブセンチュウにも効果があります。
クレマチスのネコブセンチュウに悩んでいる方で、鉢植えで管理している方は迷わず買った方が良いと思います。
一昔前は、ネコブセンチュウに感染したクレマチスは、他のクレマチスに感染するから残念だけど処分が一般的でした。
しかし、ネコブセンチュウに効く殺菌剤が登場した事で処分はしなくて良い時代になりました。
大事なクレマチスを助けられる手段が増えた事はありがたい事ですね☺️
別の場所に植える場合
新しい場所に植えることで、土壌のリセットができ、病害虫のリスクを減らすことができます。
ただし、場所がクレマチスに適しているかどうか確認が必要です。
根元が比較的涼しい場所で、日当たり良好な場所が適しています。
最後に
クレマチスの花を咲かせるためには、適切なケアと対策が必要です。
毎年の経験を生かし、次の機会はどうするべきか考えて実行する。次の機会がダメでも、トライアンドエラーで問題を見つけていきましょう。
そうすればきっとクレマチスが開花してくれるはず🙌
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