多肉植物の葉挿し vs 幼苗の成長比較 – 実体験から見えた意外な結果とは?

多肉植物の葉挿しと幼苗の成長に関する実験をまとめました。

同じ時期に購入し、同じ環境で育ててみた「葉っぱのみの葉挿し」と「根と芽がある幼苗」。普通なら幼苗の方が早く育ちそうですが、私の場合は葉挿しの方が顕著な成長を見せました。

この記事では、なぜこのような差が出たのか、その理由を私の経験をもとに考察しています。多肉植物の新たな発見として、皆さんの育成の参考になれば幸いです。

なぜ?同じ環境なのに葉挿しが幼苗より育った実体験

今回の比較では、育てる環境をできる限り統一しました。

  • 購入時期:同時期
  • 置き場所:同じ棚の隣同士(日当たり、風通しは同じ条件)
  • 使用した鉢 :同じサイズ、同じ素材
  • 使用した土:同じ配合の多肉植物用ブレンド土
  • 水やり頻度: 土が乾いてから同じタイミングで
  • 気温・光量:同じ環境下のため同じ条件

このように、基本的な条件は揃えたにもかかわらず、成長のスピードに明らかな差が現れたのです。

同時に購入した、上2段が葉っぱのみの葉挿し、下2段が発芽&発根した葉挿し苗

上記の写真の上2段は葉っぱだけだった状態、下2段(白鉢は除く)は発芽&発根済みの葉挿し苗を、同時期に購入して、現在の様子の写真です。

葉っぱだけの葉挿しは、土に置いてから比較的早い段階で根が出てきました。その後、葉の付け根から小さな芽が確認できるようになり、そこからは目に見えて成長が進み、品種にもよりますが、あっという間に大きな子株へと育っていき、鉢がギュウギュウの状態なものもあります。

一方、すでに根と芽があった幼苗は、植え付けてからしばらくの間、大きな変化が見られませんでした。葉挿しが順調に成長していくのを横目に、「少し元気がないのかな?」と感じるほど、ゆっくりとしたスタートでした。

しばらく経つと幼苗も少しずつ成長を始めましたが、最初に勢いよく育ったのは、やはり葉っぱだけの葉挿しの方だったのが印象的でした。

実体験から考える!葉挿しの方がスムーズに育った理由

では、なぜこのような意外な結果になったのでしょうか?私の実体験と多肉植物の性質を踏まえ、いくつか考えられる理由を挙げてみます。

理由1:葉挿しは「ゼロから今の環境に順応」して育つから

葉挿しは、文字通り葉っぱ1枚の状態から、根を生やし、芽を出して成長を始めます。この過程で、植え付けられた土や周囲の環境に自らを合わせていきます。

つまり、最初に生えてくる根は、今ある土の性質や水分状況に合わせて最適な形で伸びていくと考えられます。

これは、最初からその環境に「最適化された根」を持つことになるため、植え付け後の水分や養分の吸収が効率よく行われ、その後のスムーズな成長に繋がる可能性があるのではないか、と感じています。

理由2:購入した幼苗は「輸送によるストレス」があった可能性

今回購入した幼苗は、通販で我が家に届きました。多肉植物の輸送では、根を乾燥させた状態で梱包されることが一般的です。これは蒸れを防ぐための大切な配慮なのですが、植物にとっては少なからずストレスになります。

根は特にデリケートな器官であり、乾燥によって一時的に水分吸収力が低下したり、ダメージを受けたりすることがあります。

幼苗は、新しい環境に植え付けられる前に、まずこの輸送による乾燥ストレスから回復する必要があったのかもしれません。そのため、成長を本格的に開始するまでに時間がかかり、スタートが遅れた一因として考えられます。

理由3:新しい根と既存の根の「土への馴染みやすさ」の差

理由1と関連しますが、葉挿しから新しく伸びる根は、今使っている土に合わせて形成されるため、土との相性が良く、効率よく水分を吸収できます。

一方、幼苗が元々持っていた根は、元の環境で育ったものです。

加えて乾燥処理も経験しているため、新しい土にすぐに馴染めず、水分をうまく吸収できない状況があったかもしれません。

新しい環境に適応するために、古い根の一部が枯れて、新しい根を生やし直すプロセスが必要だった可能性も考えられます。このような、根と土の馴染みやすさの違いも、初期成長の差に影響したのではないかと推測しています。

【比較表】葉挿し vs 幼苗、私の感じたポイント

今回の実体験を通して感じた、葉挿しと幼苗の成長に関するポイントを比較表にまとめてみました。

スクロールできます
比較項目葉挿し(葉のみ)幼苗(根・芽あり)私の感じたこと
成長スピード◎早い
スタートはゆっくりでも、その後勢いあり
△やや遅い
スタートは控えめだった
初期適応に要する時間の差が影響したように思う
環境適応力◎高い
ゼロからなので高い
△再適応が必要
新しい環境への再適応が必要
置かれた場所に順応する力が葉挿しの方があるのかも
ストレスの有無◎少ない
親葉からの栄養で比較的少ない

輸送による乾燥ストレスがあり
輸送ストレスが回復に影響したのかもしれない
根の吸水効率◎効率よく吸える
新しい土に最適化されやすい
△吸水効率が落ちる
一時的に低下する
根がどれだけ早く土に馴染むかが鍵と感じる

※ この比較は、あくまで私自身の環境での実体験に基づいたものです。

まとめ:葉挿し育成の新たな視点

今回の私自身の体験から、多肉植物の葉挿し育成について、次のような点が興味深く感じられました。

  • 葉挿しは、ゼロから現在の環境に順応して成長していくため、結果的に環境への適応力が高く、安定した成長に繋がりやすい可能性がある。
  • 幼苗は、輸送時の乾燥などのストレスにより、植え付け後の初期段階で成長がゆっくりになるケースがある。
  • 状況によっては、すでに根や芽がある幼苗よりも、葉っぱだけの葉挿しの方が力強く成長することもある、という意外な一面がある。

もちろん、すべての多肉植物や環境で同じ結果になるわけではないでしょう。幼苗の方がスムーズに育つことも多々あります。

ですが、今回の経験を通して、葉っぱ1枚から始まる生命の力強さや、植物が新しい環境に順応しようとする逞しさを改めて感じることができました。

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