剪定グループ3のクレマチスは、その年に成長した新しい枝で晩夏に花を咲かせるタイプです。
これらの植物は晩冬から早春にかけて剪定します。この剪定方法は特に草本性のクレマチスに適しています。
育て方ポイント
- 開花時期
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基本的に初夏から秋にかけて開花します。新しい枝に花を咲かせるため、毎年剪定が必要です。
- 剪定時期
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冬の休眠期(12月〜2月)に強剪定を行います。地面から30cm〜50cm程度まで切り戻すと、新しい枝が伸び、次のシーズンにたくさんの花が咲きやすくなります。
- 難易度
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比較的手間が少なく育てやすいとされますが、剪定作業が必要です。剪定を忘れると花付きが悪くなることがあるため、継続的な手入れができる方向きです。
剪定グループ3の基本
クレマチスには様々な種類や交配種、栽培品種が存在しますが、剪定の目的に応じて、花の時期と花の成長部の年齢に基づいて3つのグループに分けられます。
剪定グループ3に属するクレマチスは、夏の終わりに新しい成長で花を咲かせます。これらの植物は毎年根元から新しい成長を促進する為に、定期的に強剪定を行うことができます。
剪定時期
通常、冬の終わりから春の初めにかけて剪定します。一般的には2月頃に行うことが多いです。
剪定方法
初期の剪定と育成
若いクレマチスをそのままにしておくと、非常に長い一本の枝が伸び、花が上部にしか咲かないことがあります。
基部から3〜4本の健康な枝が既に存在しない場合、新しく植えたクレマチスは、植え付け後の最初の春に徹底的に剪定します。
枝を地面から約30cm上の強い葉芽の上で切り戻し、複数の枝が成長するよう促します。新しい成長を支柱に結び、枝を均等に配置することで、整然とした成長をサポートします。
成熟したクレマチスの剪定
剪定グループ3のクレマチスは、2月から3月に古い茎を地面から15〜30cmの健康なつぼみの一番下まで切り戻します。これにより、より強い成長と開花を促し、成長をコントロールします。
小花のクレマチス(例:C. ‘Bill MacKenzie’、C. ‘Helios’、C. orientalis、C. tangutica、C. tibetana subsp. vernayiなど)は、魅力的な種の房を持っています。これらは、薄く間引いて、主な枝の枠組みにトリミングして、種の房を楽しむためにそのまま残すことができます。
剪定をしない場合、剪定グループ3のクレマチスは前シーズンの成長が終わった場所から成長を続け、上部が重くなり、目の高さよりも高い位置で花を咲かせ、基部が裸地になることがあります。スペースに制約がない場合は、剪定せずにクレマチスをパーゴラなどに伸ばすこともできます。
特定の品種と異なる品種を交配して得られる子孫を指します。交配によってより強く、健康で改良された特性を持つ子孫が生まれることが一般的で、これを「ハイブリッドの活力」と呼びます。
Herbaceous clematis(草本性クレマチス)
一般的にクレマチスはつる性の植物と知られ、その殆どが主となります。しかし、絡みつかないつる性ではない品種もいくつかあり、その品種をハーバシャス・クレマチスと呼びます。
ヘラクロフォリア(C. heracleifolia)、インテグラフォリア(C. integrifolia)、レクタ(C. recta)などの品種がハーバシャス・クレマチスに当たります。
日本では、木立性と呼ばれます。
ハーバシャス・クレマチスは、早春または晩秋に地面の近くまで剪定してください。
剪定グループ3に属する主な系統
- ヴィタルバ系(Clematis Vitalba)
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ヨーロッパ原産の強健な品種で、晩夏に小さな白い花を大量に咲かせます。
- テキセンシス系(Clematis texensis)
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アメリカ南部原産で、夏から秋にかけてベル型の赤い花を咲かせる耐暑性品種です。
- オリエンタリス系(Clematis orientalis)
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中央アジア原産で、秋に黄色い小花を咲かせる耐寒性の強い品種です。
- ヘラクレイフォリア系(Clematis heracleifolia)
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東アジア原産の半つる性で、夏に香り高い青紫の花を咲かせます。
- インテグリフォリア系(Clematis integrifolia)
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ユーラシア大陸原産の立性種で、夏に釣鐘型の青や紫の花を咲かせます。
- ヴィチセラ系(Clematis viticella)
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ヨーロッパ原産で、夏から秋にかけて豊富な花を咲かせる強健種。耐暑性と耐病性に優れています。
- ヴィオルナ系(Clematis Viorna)
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北アメリカ原産で、釣鐘状の小花が特徴。春から夏に咲き、独特な花形が魅力です。
- フラミュラ系(Clematis Flammula)
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ヨーロッパやアジア原産で、夏から秋にかけて小さな星形の白花を多数咲かせ、香りが強いです。
- タングチカ系(Clematis Tangutica)
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中国原産で、春から夏にかけて小さな黄色のベル状の花が咲き、秋には綿毛状の種子が観賞できます。
- コンナータ系(Clematis Connata)
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ヒマラヤ原産で、夏から秋に黄や白の小花を咲かせます。つる性で、木やフェンスに絡みやすいです。
- メクラチス系(Clematis Mekratis)
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東南アジア原産で、常緑の熱帯性品種。小さな花をつけ、温暖な地域で育ちます。
- カンパネラ系(Clematis Campanella)
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ベル型の小花が特徴で、耐寒性が強く、春から初夏にかけて咲くヨーロッパ原産の品種。
- ベバエンセラ系(Clematis Bebaencera)
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北米原産で、耐暑性があり、花色は多様、ベル型の花が多い品種。夏に花が咲き、観賞価値が高いです。
- レクタ系
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東欧から中央アジア原産で、夏に小さな白い花を房状に咲かせ、芳香が特徴です。
剪定グループ3を代表する品種
剪定グループ3に属するクレマチスの品種には、以下のようなものがあります。
これらの品種と系統を適切に剪定することで、健康な成長と美しい花を楽しむことができます。
難易度
剪定グループ3は中程度の難易度で、育てやすさと花付きの良さが特徴です。剪定は比較的シンプルで、基本的に全体をバッサリと切り戻すことで次シーズンに備えられるため、技術的な難しさは少ないです。
向いている人
「簡単な作業で多くの花を楽しみたい」「剪定を毎年行うのが苦ではない」タイプの方におすすめです。
また、忙しいけれど手軽に季節の変化を楽しみたい人にも向いています。